就活に「失敗」したはずの彼が、5年後に成功者となった理由 ~就活という分岐点で、あなたが最良の行動をとるために~

コラム見出し1「就職活動という分岐点」

人生は分岐点の連続である。

就職活動もまた、人生においては大きな分岐点である。

コラムイメージ「オフィス街と青空」

『新卒で入社した会社でずっと働く』という考えはもはやマジョリティではないかもしれないが、それでも始めから辞めようと思って会社選びをする人はいない。
だからこそ慎重に、しっかり準備をして会社選びをすることは素晴らしいことであると思うし、そうあるべきであると思う。

そして実際に、最初に入った会社に長く勤めるようになる人は、やはり現在も多いのだ。

コラム見出し2「就活失敗、という分岐だったなら」

転職した経験を持つ社会人の方ともたくさん会ってきた。

彼らの転職の動機やステップは様々だが、一様に言えることは、その時その時の自分の選択・状況を肯定的に捉え(今だから言えるのかも知れないが・・・)、現在のキャリアに活かしていることだ。

ある人の話。

新卒では希望の会社・業界に入れず、やむを得ず入社した小さい広告製作会社。就活当初には考えてもいなかった業界だ。知識もなければスキルもない。しかし、小さいがゆえに自分で多くのことをこなしていかなければならない。体系的な教育・研修制度もなく、OJTで覚えていく。小さい会社は顧客ニーズの変化にスピーディに対応していかなければならず、その場その場での判断・決断・実行が大事になってくる。

悠長に体系的に「何か」を学んでいる時間などないのだ。

しかし、その経験が彼を成長させた。

それらの仕事をこなしていくためには膨大な勉強が必要であり、顧客と直にやり取りしながら進めていくプロジェクトには失敗・成功はあったが、そのプロセスにおいて、製作技術や知識・トレンドだけでなく、プロジェクトのマネジメント力、決断力、周りを巻き込む推進力・コミュニケーション力、プレゼン力、などビジネスで必要なスキルセットを獲得していった。

かくして彼は5年後、日本では、というか世界でも誰もが知っているWEB会社にプロジェクトマネジャーとしてスカウトされていった。
現在は多くのメンバーとともに分業制で大きなプロジェクトに関わっている。

コラム挿入画像「サクセスストーリー」

そんな彼曰く、

「あの時代はとにかく必死だった。いろんなことを自分でやっていかなければならないから朝から晩までとにかく必死で働いていた。日曜日の午後はその週に使うプレゼン資料などの作成があり、土日も結構大変だったよ。緊張の連続だった。
今の方が扱っている金額も関わっている人数、世の中に対するインパクトもはるかに大きいけど、プレッシャーという意味では昔の方が大きかったね。今の方が時間的にも精神的にも余裕を持って取り組める。そういった環境だからこそできること、見えてくるものも増えていっているんだ。
ただ、あの経験がなければ今の僕はいないよ」

彼のサクセスストーリーを話したいのではない。

この手の話は実は特に珍しいことでもないのだ。
大事なことはその時の状況をどう活かしていくのか、ということである。

彼は新卒で希望の会社に入れず、滑り込みセーフで最初の会社に入った。やはり初めは落ち込んだという。なんで自分はこの会社に入るのだろうか、と悩むこともあったそうだ。ただ、彼はそこで腐らず、せっかく縁あって入る会社なのだから、しかもこのタイミングで自分を選んでくれた会社なんだから、とことん働いてみよう、と気持ちを切り替えた。

コラム見出し3「そのとき、最良の行動のために」

人生は分岐点の連続である。
現象面だけでなく、精神的にもそこでどう考えるか、どう行動するか、それが連続して蓄積していくのである。

今は情報が氾濫し認知の限界を超え始めている。広告的なきれいな文言・表現ではその企業の本質は見えてこない。

私はみなさんにはいろんな社会人の人と会って話を聞いてみてほしいと考えている。

新卒からずっと同じ会社で働いている人、ベンチャーに入社し大きく成長させている人、中小から大手に転職した人、大手から中小に転職した人、起業した人、多くの経験をしている人の話は、昔がどう、今はどう、という事実や変遷も面白いが、どう考えてきたのか、行動していきたのか、分岐点とその前後、つながりにフォーカスして話を聞いてみると、よりその話に彩りが加わり自分自身に落とし込むことができると思う。

未来の『はたらく』を研究する拠点「僕らのワークデザインラボ」でも、そのような場を多く、広く作っていきたい。