2016年3月1日。採用スケジュールが昨年から2ヶ月間前倒しになる2017年度卒の就職活動。学生だけでなく、企業の採用担当も戸惑っている声を多く聞く。
少し情報を整理すると、経団連の指針は以下のとおりである。
3月1日 広報解禁
就職ナビサイトなどで、新卒採用の目的として、広報活動が解禁されること。大手のナビサイト(リクナビ、マイナビ、キャリタス)もこの指針に添う形で、3月1日をグランドオープンとしている。
6月1日 選考解禁
2017年度卒の学生に対して、選考活動、つまり、面接やテストなどで採否を出すことが解
禁されること。指針に添う大手企業は、この日よりも前に通過や不採用の通知は行わない。
上記のうち、選考解禁が昨年よりも2ヶ月間前倒しになるために、「企業の広報活動期間が短くなる」「学生が企業を選ぶ期間が短くなる」などの影響が出ることが予見され、企業・学生双方が対策を必要とされている。
しかし、企業と学生との間でこの対策への意識は差がある。
決定的な理由は、「情報を出す側(発信者)」と「情報を受ける側(受信者)」である。企業は採用目標を達成するために戦略を持って情報発信を工夫していく。つまり、企業の採用活動はとっくに始まっているのであり、就活生は市場の流れや企業の戦略の上に流されていくのが大多数を占めるのである。
このことを、就活生は認識していなければならない。
毎年のことであるが、就活生の多くが「3月から就活スタート!」「いよいよスーツ買わなきゃ」と広報解禁と共に「就活」に本腰を入れる。
もちろん、企業も体裁的には「3月1日から開始します」と表象する。
企業の狙いは、より早く、より多く良い人材を採用することであるため、広報解禁と共にまたはもっとそれより前に、「選考解禁」しているのである。
となれば、就活生はこれから出逢う企業すべてに「選考」されていることになるわけなので、「説明会」といえども、侮ってはいけない。
採用担当者、社員は、あなたを見極めようとしているのだ。
だからこそ、次のことは意識して「説明会」や「座談会」などに臨んで欲しい。
今からやるべき3つのこと
- 説明会では「目的」を持って参加すること
何を知るために説明会に参加しているのか、企業が話していることは最大限理解できているか(自分の言葉でアウトプットできるか?)
- 誠実な姿勢を見せること
社員が話していることをしっかり聞いている姿勢(表情、メモを取る動作)を見せているか?仰け反って話を聞いたり、スマホで遊んだり、居眠りすることは企業は見ている。
その気になれば、その時点で不採用になりかねない。
- 恥をかいてみること
社員への質問、社員からの質問に手をあげることなど、失敗を恐れずにアクションを起こしましょう。最初から不安なく、さらに100%成功することなんてない。だったら、少しでも挑戦して経験することが成長に繋がる。企業は即戦力を求めていない。徐々にでも成長できる人を求めている。
一斉スタートの言葉に騙されてはいけない。既に戦いは始まっているのだ。